院長ブログBLOG

2021年02月13日(土)
甲状腺専門医・専門施設に治療を任せてみませんか〜妊娠とバセドウ病〜

バセドウ病と妊娠との関係についてです。

バセドウ病の多くは妊娠中には軽快し、抗甲状腺薬の減量・中止が可能な場合が多いですが、コ ントロール不良の場合は、流早産、死産、低出生体重児、妊娠高血圧症候群、心不全、胎児甲状腺腫や新生児甲状腺機能異常などの発症頻度が一般妊婦に比較して高くなります。また、それら のリスクは妊娠前からの治療で軽減されるので、妊娠前からのコントロールが重要です。
抗甲状腺薬には,チアマゾール(MMI,メル カゾール)とプロピルチオウラシル(PTU,プ ロパジールまたはチウラジール)の 2 種類があります。一般的にメルカゾールのほうが効果、副作用などの面で優れていることから、非妊娠時はメルカゾールを第一選択として使用します。
しかし、妊娠初期にメルカゾールを内服することによって、胎児の頭皮欠損、食道閉鎖と気管食道瘻、後鼻孔閉鎖、臍腸管遺残、臍帯ヘルニア等の奇形と関連していることが明らかになっています。そのため、プロパジールへの内服変更などが必要です。妊娠中の甲状腺疾患は,妊娠中の母体の甲状腺系の変化と胎児の甲状腺機能の発達、甲状腺機能異常が妊娠の転帰や胎児に与える影響、薬物療法への胎児への影響などを理解して管理する必要があります。特に、母体抗TSH受容体抗体高値例や妊娠後期になっても薬物療法が必要なバセドウ病合併妊娠の場合は,経験のある甲状腺専門医,産科医および新生児もしくは小児科医との連携が重要です。

甲状腺専門医・甲状腺学会認定専門医施設として的確な診断と治療を提供することをお約束します。

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